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ーアスベスト除去と健康被害の関係は?安全に働くために知っておきたいポイントー

アスベスト除去と健康被害の基本を知ろう

アスベスト除去の仕事に興味があっても、「健康被害が心配」「本当に安全なのか」と不安に感じる方は多いです。たしかに、アスベストは以前から健康被害が問題になってきた物質ですが、現在は法律や安全対策が整っており、正しい知識と設備のもとで作業すればリスクを大きく抑えることができます。まずは、アスベストと健康被害の基本から整理していきましょう。

アスベストとはどんな物質?なぜ危険と言われるのか

アスベストは「石綿」とも呼ばれ、耐火性・断熱性・防音性に優れた天然の鉱物繊維です。かつては建材として広く使われていましたが、非常に細かい繊維が空気中に舞い上がり、それを長期間吸い込むことで健康被害を引き起こすことが明らかになりました。
目に見えないほど細かい繊維が肺の奥に入り込むと、体外に排出されにくく、長い年月をかけて肺の組織を傷つけていきます。そのため、現在は新たな使用が禁止されており、古い建物から安全に除去することが重要な課題となっています。

代表的な健康被害とその特徴

アスベストによる健康被害としては、主に次のような病気が知られています。
・石綿肺(じん肺の一種で、肺が硬くなり呼吸が苦しくなる病気)
・肺がん
・中皮腫(肺や腹部を包む膜にできる悪性の腫瘍)
これらの病気の特徴は、「すぐに症状が出るわけではなく、長期間のばく露から何十年も経ってから発症することが多い」という点です。昔、安全対策が不十分だった時代の作業が原因になっているケースも多く、今なお社会問題として取り上げられています。

現代のアスベスト除去現場は安全対策が前提

健康被害の話を聞くと「やっぱり怖い仕事なのでは」と感じるかもしれませんが、現在のアスベスト除去工事は、法律で厳しいルールが決められた上で行われています。昔と今では、作業環境や意識が大きく変わっていると言っても良いでしょう。ここでは、現代の現場で行われている主な安全対策について見ていきます。

防護具・養生・換気など多重の対策

アスベスト除去の現場では、作業員がアスベストを吸い込まないように、さまざまな対策を組み合わせて作業を行います。
・高性能フィルター付きの防じんマスク
・使い捨ての防護服や手袋、靴カバー
・ビニールシートで周囲を囲い、粉じんが外に漏れないようにする養生
・陰圧装置(空気の流れを調整して、粉じんが外に出にくい環境を作る機械)
このように、単にマスクをするだけでなく、「粉じんを出さない・漏らさない・吸い込まない」という多層的な仕組みで健康リスクを減らしているのが現代の現場です。

ルールを守ることでリスクは大きく下げられる

アスベストによる健康被害は、「長期間・高濃度の粉じんを吸い続けること」が大きな原因です。逆に言えば、適切な防護具を正しく使い、決められた手順で作業を行えば、リスクはかなり低く抑えることができます。
そのため現場では、作業前のミーティングで手順や危険ポイントを共有し、終了後には防護具の外し方や洗浄方法まで細かく確認します。求人を探す際には、「安全教育」や「マニュアル」「講習」といったキーワードがしっかりと記載されている会社を選ぶことが、自分の健康を守る第一歩になります。

求人選びでチェックしたい健康・安全面のポイント

アスベスト除去の仕事に応募する際には、「どれだけ稼げるか」だけでなく、「自分の健康が守られる環境かどうか」を重視することが大切です。ここからは、求人票や面接で確認しておきたいポイントを整理していきます。未経験の方でもチェックしやすい項目ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

求人票に書かれている安全・健康に関する記載

求人情報を見るときは、次のような点に注目してみましょう。
・アスベスト対策に関する講習や特別教育の有無
・防護具(マスク・防護服など)の会社支給が明記されているか
・健康診断の実施(年1回・年2回など)が記載されているか
・安全第一を掲げているか、具体的な取り組みが書かれているか
これらがしっかりと書かれている会社は、作業員の健康を大切にしている可能性が高いです。逆に、安全対策について何も触れていない求人は、情報が不足しているか、意識が低い可能性もあるため、慎重に判断する必要があります。

面接や問い合わせで聞いておきたいこと

求人票だけではわからない部分は、面接や電話・メールで直接質問してみるのがおすすめです。例えば、
・未経験者に対してどのような安全教育を行っているか
・実際の現場でどんな防護具を使用しているか
・アスベスト除去の作業時間や休憩の取り方
・過去に健康面でのトラブルがあった場合の対応
などを聞いてみると、その会社の姿勢が見えやすくなります。丁寧に説明してくれる会社であれば、現場でも相談しやすい雰囲気が期待できます。

自分の健康を守りながら働くためのセルフケア

会社側の安全対策はもちろん重要ですが、働く自分自身が健康を意識することも同じくらい大切です。日々の小さな習慣や心がけが、長く元気に働き続けることにつながります。ここでは、現場で働く人ができるセルフケアのポイントをご紹介します。

防護具の正しい使い方と日々のチェック

どれだけ性能の高い防護具でも、正しく装着できていなければ十分な効果を発揮できません。
・マスクが顔にしっかり密着しているか
・防護服に破れや穴がないか
・ゴーグルや手袋に汚れや傷みがないか
といった点を、作業前に自分の目で確認する習慣をつけることが大切です。気になる点があれば、遠慮せずに上司や先輩に相談し、交換や調整をしてもらいましょう。自分の身を守れるのは最終的には自分自身です。

生活習慣と体調管理も立派な安全対策

アスベスト除去に限らず、建設・解体系の仕事は体力も使います。
・十分な睡眠をとる
・バランスの良い食事を心がける
・禁煙や節煙を意識する
といった基本的な生活習慣は、肺や全身の健康を守るうえでとても重要です。特に喫煙は、肺の病気のリスクを高める要因のひとつとされているため、できる範囲で見直していくことが、自分の体を守ることにつながります。

健康を守りながらキャリアアップできる仕事として

アスベスト除去の仕事は、「危険だからやめた方がいい仕事」ではなく、「正しい知識と対策があれば、社会に貢献しながら専門職としてキャリアを築ける仕事」です。最後に、健康被害への不安を抱えながらも、この分野で働こうか迷っている方に向けて、将来性とやりがいについてお伝えします。

専門知識と資格が一生ものの強みになる

アスベスト除去の現場で経験を積み、関連する講習や資格を取得していくことで、専門性の高い人材として評価されやすくなります。
・石綿作業主任者
・特定建設業に関する資格
・安全衛生に関する資格
などを取得すれば、現場をまとめる立場や、後進の指導を行うポジションも目指せます。健康と安全を理解したうえで実務経験を積んでいけば、将来にわたって必要とされる人材になれる仕事です。

「健康を守る意識」が信頼されるプロへの第一歩

アスベスト除去の仕事では、スピードよりも安全や品質が重視されます。
・無理をしない
・決められたルールを守る
・おかしいと思ったらすぐに相談する
こうした姿勢を持って働ける人は、現場からも信頼され、長く活躍することができます。健康被害への不安をきっかけに、むしろ自分や仲間の安全に高い意識を持てる人は、この仕事に向いているとも言えるでしょう。

アスベスト除去と健康被害の関係を正しく理解し、信頼できる会社を選び、自分自身でも健康管理を意識して働けば、不安を必要以上に大きくしなくても大丈夫です。社会や地域の安全を守る大切な仕事として、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

2025.11.21