空調配管用のコア抜き工事で外壁に石綿含有仕上塗材が見つかるケースが増えています。
「小さな穴だから大丈夫」が通用しない理由と、分析調査・隔離施工の必要性を解説します。
その一穴、「軽微な作業」では済まないかもしれません
エアコンの新設や入れ替えにともなう配管用の「コア抜き工事」。外壁に数センチの穴を開けるだけの作業ですが、最近、この穴あけの際に外壁の下地から粉じんが発生し、急きょ隔離養生をして対応するケースが増えています。
原因の多くは、外壁の仕上塗材や下地調整材にアスベストが含まれていたことです。今回は、なぜコア抜き工事でこうした問題が起きやすいのか、そして工事前にどんな手順を踏むべきかをご説明します。
なぜ外壁のコア抜きで粉じん問題が起きるのか
外壁は「サイディングを張り替えるだけ」であればまだしも、コア抜き工事では下地のモルタルや、スプレーで吹き付けられた仕上げ塗材(じゅらく調・凹凸模様の吹付材など)まで一気に削り抜くことになります。
これらの仕上塗材・下地調整材には、板状の建材と違って「薄い塗装」のように見えるためアスベスト含有が意識されにくいものの、実際には含有しているケースが少なくありません。しかも、コア抜きはドリルで一点を集中的に削るため、同じ量の建材でも表面を撫でるように削る作業より粉じんが濃縮されて発生しやすいという特徴があります。
「小さな穴だから大丈夫」が通用しない理由
石綿則では、釘打ちや手動ドリルによる小さな穴あけなど「アスベストの飛散が極めて少ないと判断される軽微な作業」については、事前調査が省略できる場合があります。
しかし、コア抜きのような大きな穴を開ける作業は、この「軽微な作業」とはみなされにくく、事前調査(必要に応じて分析調査を含む)が必要になる可能性が高いという点が重要です。「エアコン設置のための穴あけだから」「1箇所だけだから」という理由だけで調査を省略できるわけではありません。
また、2023年10月からは事前調査そのものを有資格者(石綿含有建材調査者など)が行うことが義務化されています。請負金額が税込100万円以上の改修工事であれば、調査結果を行政へ報告する義務も発生します。工事の規模にかかわらず、まず調査ありきで進める必要があります。
分析調査を省略せずに行う意味
アスベストの有無がはっきりしない場合、「含有しているとみなして」最初から厳重な措置を取る「みなし含有」という進め方もあります。ただし、みなし含有は分析調査を実施した場合と同等の厳しい措置が必要になるため、本来は含有していない建材まで過剰な養生・隔離コストをかけてしまうこともあります。
コア抜きのような局所的な工事ほど、事前に試料を採取して分析調査を行い、「本当に含有しているのか」「含有しているならどの程度の措置が必要か」を明確にしておくことが、工期・コスト両面で合理的です。
分析の結果アスベストが見つかった場合の施工方法
外壁の仕上塗材・下地調整材にアスベストが含まれていた場合、代表的な対応は次の2つです。
- 剝離剤や集塵装置付きグラインダーによる部分的除去:削る箇所に剝離剤や、集じん装置(HEPAフィルター付き)を備えた工具で削り、コア抜き工事前に処理する工法です。
- 隔離空間内での穿孔処理:養生した隔離区画の中でコア抜きを行い、区画内の空気を集じん・回収しながら穴あけを行う方法です
※剝離剤や集塵装置付きグラインダーで先に部分除去する場合はどうしても開ける穴よりも少し大きめになるデメリットがあります。
ご相談から施工までの流れ
- お問い合わせ・現場状況のヒアリング:施工予定箇所、外壁の仕上げ方法、既存図面の有無などを伺います
- 現地事前調査:資格を持つ調査者が目視・図面確認を行います
- 分析調査:試料を採取し、専門機関でアスベスト含有の有無を分析します
- ご提案・お見積り:分析結果に基づき、剥離除去または隔離施工のいずれが適切かをご案内します
- 施工:湿潤化・集じん・養生を徹底した手順で安全に施工します
- 報告書のご提出:必要な行政報告まで対応します
ショウテクトができること
弊社は名古屋市南区を拠点に、戸建て住宅から大型施設まで、アスベストの調査・除去・封じ込め工事を手がけております。空調設備工事にともなうコア抜き前の事前調査・分析調査から、隔離施工まで一貫してご対応が可能です。
「エアコン工事の前に、この壁は大丈夫か確認しておきたい」という段階からのご相談も歓迎しております。お気軽にお問い合わせください。
