
アスベスト除去の取り扱いと仕事の概要
アスベスト除去の仕事は、ただ古い建材をはがして捨てるだけの単純作業ではありません。健康被害のリスクがある物質を安全に取り扱いながら、周囲の人や環境を守る責任ある仕事です。正しい取り扱いを理解しているかどうかで、現場の安全性も信頼性も大きく変わってきます。
一方で、ニーズが高く将来性もある分野なので、安定した仕事を探している方や、手に職をつけたい方にとっても注目されています。「難しそう」と感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて学べば未経験からでも挑戦しやすい仕事です。
アスベスト取り扱いの基本イメージ
アスベスト除去の現場では、「粉じんをなるべく出さない」「出た粉じんを外に漏らさない」という二つの考え方が取り扱いの基本になります。建材を壊すときは水で湿らせて粉じんの飛散を抑え、作業エリアをしっかり区切って外に広がらないようにします。
こうした基本を守ることで、作業員自身はもちろん、周辺の住民や建物利用者の安全を守ることができます。取り扱いのポイントを一つひとつ丁寧に実行することが、信頼される現場づくりにつながります。
なぜ専門的な取り扱いが必要なのか
アスベストは、吸い込むことで肺の病気やがんを引き起こすおそれがある物質です。目に見えないほど細かい繊維が空気中に舞いやすく、一度吸い込むと体内から排出されにくいとされています。
そのため、見た目にはただの古い壁材や天井材であっても、専門的な知識を持ったスタッフが適切な取り扱いを行うことが求められます。アスベストの取り扱いについては決まりが定められており、現場ではそれに沿って作業を進めていきます。
アスベスト除去現場での基本的な取り扱い手順
いきなり壊し始めるのではなく、事前準備から後片付けまで一つひとつの工程をていねいに行うことで、安全性を高めています。
作業前の準備と事前確認
まず重要なのが、対象となる建材にアスベストが含まれているかどうかの確認です。図面や仕様書から判断したり、必要に応じて試料を採取して分析したりしながら、種類や含有量、作業範囲を明確にしていきます。
そのうえで、どのような工法で除去するのか、何人で作業するのか、どんな防護具や機材を使うのかなどを決めていきます。事前に段取りをきちんと決めておくことで、現場での迷いやムダな動きを減らし、安全でスムーズな進行につながります。
作業エリアの養生と環境づくり
次に行うのが、作業エリアの養生です。ビニールシートなどで壁や床、天井を覆い、アスベストが付着してはいけない部分を保護するとともに、粉じんが外に出ないように空間を区切ります。出入口には二重の扉を設けて、人の出入りによる粉じんの持ち出しを防ぎます。
あわせて、負圧装置や集じん機を設置し、作業エリア内の空気の流れをコントロールします。こうした設備の取り扱いも重要な仕事で、スイッチを入れるだけでなく、フィルターの状態確認や異常がないかのチェックなど、こまめな点検が求められます。
除去作業中の具体的な取り扱い
除去作業そのものでは、建材を勢いよく壊すのではなく、水で湿らせながらゆっくりと取り外していきます。ハンマーや電動工具の使い方を工夫し、必要以上に粉じんが舞わないように細心の注意を払います。
取り外した建材や粉じんは、その場で専用の袋に入れ、口をしっかりと閉じて管理します。「壊す」「集める」「袋に入れる」という一連の取り扱いをていねいに行うことが、安全な作業の基本になります。
安全な取り扱いのためのポイント
アスベスト除去の取り扱いは、決して難しいテクニックだけで成り立っているわけではありません。基本を守り続けること、決められたルールを徹底することが、もっとも大切なポイントです。
個人防護具の正しい使い方
作業員自身を守るためには、防じんマスクや保護メガネ、防護服、手袋などの個人防護具の正しい取り扱いが欠かせません。サイズが合っていないマスクや、隙間が空いてしまう着方では、本来の効果が十分に発揮されません。
現場では、着用前後のチェックを習慣づけたり、汚れや破れがないかをこまめに確認したりすることが大切です。マスクのフィルター交換時期を守ることも、アスベストを吸い込まないための重要な取り扱いポイントになります。
道具・機材の取り扱いと点検
アスベスト除去では、負圧装置や集じん機、高性能フィルターなど、さまざまな機材を使用します。これらは正しく動作していて初めて、粉じんを外に出さない環境が保たれます。
そのため、毎日の運転前点検や、フィルターの目詰まり確認、ホースの破損チェックなどが重要になります。道具を雑に扱ってしまうと、安全対策が十分に機能しないおそれがあるため、「使う」と「点検する」をセットで考える意識が求められます。
アスベスト取り扱いの仕事で求められる人物像
アスベスト除去の取り扱いには、派手さはないものの、コツコツと丁寧に作業を続ける力が求められます。同時に、チームで協力しながら進めていく仕事なので、人とのコミュニケーションも大切な要素になります。
向いている性格・働き方のスタイル
向いているのは、ルールや手順を守ることが得意なタイプの方です。「まあこのくらいでいいか」と妥協せず、決められた取り扱いをきちんと守れる人は、現場でも信頼されやすくなります。
細かい作業をコツコツ続けることが苦にならない方や、周りと声をかけ合いながら安全確認ができる方も、この仕事に向いています。自分の作業が誰かの安全につながっていると感じられるので、やりがいを感じやすいのも特徴です。
未経験から慣れていくためのコツ
未経験で入社した場合は、最初から難しい作業を任されることはほとんどありません。道具の名前や使い方、養生の仕方、掃除や片付けなど、取り扱いの基本となる作業から少しずつ覚えていきます。
最初は分からないことだらけでも、先輩に質問しながら一つひとつ覚えていけば大丈夫です。メモを取ったり、教わった内容をその日のうちに振り返ったりすることで、理解が定着しやすくなります。
求人を見るときにチェックしたい取り扱い体制
アスベスト除去の仕事に応募する際は、求人情報の中から「取り扱い体制が整っている会社かどうか」を見極めることが大切です。
教育・マニュアル・サポート体制
求人票や会社の説明の中に、次のようなポイントが書かれているかをチェックしてみましょう。
・未経験者向けの研修や講習があるか
・作業手順書やマニュアルが整備されているか
・先輩が同行して指導してくれるOJTがあるか
長く働くための環境づくり
アスベスト除去の仕事で長く活躍するためには、安全対策だけでなく、働きやすさも大切です。残業時間の目安や休日の取り方、資格取得支援や手当の有無なども確認しておきたいポイントです。
自分のライフスタイルに合った働き方ができる会社を選ぶことで、無理なく経験を積み重ねることができます。将来的にはリーダーや管理ポジションを目指すことも可能です。
